- TOP
- 入れ歯をお考えの方へ
- 保険の入れ歯と当院の入れ歯の違い
保険の入れ歯のメリットとデメリット
世界を見渡すと国民皆保険で入れ歯を作製できる国は日本だけです。不幸にも歯をなくしてしまった方には、低価格で入れ歯を作ることができます。私たちは国民皆保険により多大なる恩恵を受けていることは事実です。
しかしながら、当然保険で作製できるものには制約があります。コストを最低限に抑える必要があります。保険で作製する部分入れ歯は、歯にバネをひっかけて固定源とする金属部分(クラスプ、広い面積の場合はバー)、骨を覆うピンクの樹脂の部分(レジン)、歯の部分を再現する人工歯とに分類され、それぞれバラバラなパーツをピンクの樹脂(レジン)で固めた構造となっています。
歯科技工士さんは低価格でたくさんの入れ歯や冠を作製するため、一つ一つのクラスプをかける歯の角度、入れ歯を支える骨の形態を詳細に計測する時間はありません。「おおよそ」で角度修正して作製していきます。当然、残っている歯によって制限が加えられ、樹脂でのみ寄せ集められているため、力が集中するとその部分から壊れることを繰り返します。樹脂の填入も手用の圧力により行われます。この作製方法は私が学生の頃である、1980年代からまったく変化していません。
当院の考える入れ歯治療
患者様にとって、このことは本当に恩恵なのでしょうか?「部分入れ歯は総入れ歯への移行のための入れ歯」と言われることがあります。クラスプ(バネ)がかかることによって、バネがかかっていた歯がグラグラしてきて抜歯しなければならなくなることもあります。入れ歯の動揺により、それを支える歯にも横揺れの負担がかかります。簡単なバネでは、入れ歯を動かないように支えることは困難なのです。
残った歯を本当に守る入れ歯は、すべての金属部分は一体化され、平行性をもって作製されることがルールであり、可能な限り収縮や変形の少ない特殊な方法で樹脂を重合させます。何よりも技工士さんが200時間から300時間の製作時間をかけて、お一人お一人の口元に調和するように丁寧に作製されるものです。
そのように作製された入れ歯は、何度も調整することはなく患者様に装着されるとともに、定期的なメンテナンス以外、ほとんど調整されることなく長期に安定してご使用いただけます。それはすなわち、患者様のお時間も大事にすることだと私は考えております。