
10年以上問題なくお使いいただいた上顎のコーヌステレスコープ義歯
ドイツ式入れ歯の一種であるコーヌステレスコープ義歯は、非常に長期に安定する入れ歯です。
患者様は76歳の女性。入れ歯がガタガタして合わないというお悩みで2011年2月に当院を初診されました。
入れ歯を拝見すると、上顎の入れ歯は細いバネ(クラスプ)でのみ支えられています。

また、口蓋はほとんどおおわれておらず、左の入れ歯の部分が噛んだ時に、沈下する力を支えるものが何も存在していない状態でした。
そのため、左上に一本のみ残っていた犬歯は、噛むたびに引き倒す力が加わり、歯根破折を生じて抜歯しなければいけない状態になっていました。

ブリッジを除去し、残存歯が右側に3本であったため、コーヌステレスコープ義歯を作製。2011年7月に装着しました。


下顎は保険で作製した入れ歯ですが、上顎がしっかりと安定し、かみ合わせが安定していることで問題なく使用していただきました。
上顎は左側に支える歯がないため、噛んだ時に沈み込む力を緩和させるために後方に金属のバーを付与しています。
しかし、口蓋は覆っていません。
もし、現在同様の患者様に入れ歯を作製するとしたら、口蓋を覆ったレジリエンツテレスコープを作製するでしょう。
その方がより安定するからです。

しかし、装着後10年以上、調整をほとんどすることなくご使用いただくことができました。
患者様は「いままで何度も保険外の入れ歯を作ってきたけれど、この入れ歯は全然違うんです」と、とても喜んでいただきました。毎回メンテナンスにいらっしゃる度に、夢中になっていることなどを嬉しそうにお話してくださいます。
安定した入れ歯が、患者様がアクティブに日常をお過ごしいただく一助になったことは私にとっても大きな喜びでした。ありがとうございました。
やぎはしファミリー歯科 院長 八木橋靖子
筆者プロフィール

やぎはしファミリー歯科
院長 八木橋靖子
■経歴
- 1986年
青森県立弘前高等学校 卒業 - 1994年
北海道大学歯学部 卒業 歯科医師 - 1998年
弘前大学大学院 医学部 研究科修了 医学博士
研究テーマ:「口腔癌におけるサイトカインの産生」 - 1998年
秋田県鷹巣町 北秋中央病院 歯科口腔外科 勤務
弘前大学附属病院 歯科口腔外科 勤務 - 2001年
弘前大学附属病院 歯科口腔外科 退職 - 2005年
やぎはしファミリー歯科 開業